大坂城天守台の作業のほうは、ぼちぼち進めていますが、地味な写真ばかりとなるので、ますは前回に引く続き浪華城全図(個人蔵)をごらんください。
大坂城桜門周辺が描かれており、蛸石もありますね、本丸御殿の入口もあり、石畳が描かれています。手前左下に西の一番櫓があります。現在の大阪城では、この櫓跡と桜門桝形との間は、土盛りされていて、広場のようになっています。どの時点で土盛りされたのでしょうか、戦後すぐの写真などを確認するとこの部分全体を占める建物がありますから、それが解体後で、けっこう最近なのかも知れません。また、前回「犬小屋」などと言っていた小屋型が御殿入口横にもありますが、たぶん防火用の水箱だと思います。この絵図は、まさにお城鳥瞰イラストですが、最近、お城のイラストで有名な香川元太郎先生の新しい本が出版されましたので、紹介しておきましょう。
PHP研究所出版「47都道府県別よみがえる日本の城」税別880円です。もちろん、本を開いて真っ先に私が虫眼鏡で確認したのは西ヶ谷恭弘先生監修の徳川大坂城鳥瞰図の天守周辺でして、例の小天守台西側の通路は、掛け造りの斜め廊下橋と解釈されているようです。他のお城も飽かず眺めることができて、イラストとしての安定感・安心感が絶大です。
「あとがきに代えて」で昨今のCGについても触れられており、建物は上手いものはあるが、山城については難しいだろうと述べておられます。(そういえばCGで描かれた山城で、山に見えるものはないです。)
わたし的には、うーん、最近のムック本などで使われている天守CGで酷いものも、まだまだ多いと思いますけどねえ。なにがダメかというと、まずは、屋根や建物高のバランスですね、結局CGといっても建築3Ⅾソフトで図面から起こして、レンダリングしているのではなく、お絵描きソフトで屋根瓦などのパーツをコピペして並べて平面に絵を描いてるだけですからね。その多くが見ても疲れるというか、やれやれって感じです。いいかげんCGをありがたがる風潮が改まってほしいなと思います。
香川先生には、今後も素晴らしいイラストでお城ファンを楽しませていただけたらなあと思います。石川県のページの前田利家時代の五重天守のある金沢城イラストもいいですなあ。この本、お城ファンの方なら買って損はないです。
〇香川元太郎先生のHP
徳川大坂城模型の写真も、現状ということでのせておきます。塗装がそろってなくて、きたない写真で申し訳ないです。