東京マルイ姫路城を見てみる(その3) 屋根瓦の間隔

 前回に引き続き東京マルイ姫路城の再現度の検証を記事といたします。お城プラモをできる限り本物に(幻のお城ではかなわないことですが)忠実に再現したいと思ってつくってきましたが、あまり触れてこなかった重要な構成要素が、「屋根及び瓦」でして、ひとつには細かすぎて自作に自信がないというのもあって、正確なのかどうかに目をつぶってきた訳です。姫路城プラモとの一門

  旧ブログでは童友社1/350の屋根のピッチは1㎜が多いと書き込んでいましたが、東京マルイ姫路城の屋根瓦を調べるついでに、いろいろ測ってみようと思いました。小天守屋根比較

 まず、左の写真の手に取っているのは童友社1/350松本城の乾小天守の屋根です。姫路城東小天守の屋根と同サイズのようで比較にいいでしょう。古い童友社キットの屋根は入母屋軒の掛け瓦が長くバランスはあまり良くありません。降り棟から直接出ていると解釈したのが間違いの元だったのでしょう。真ん中の写真は、その乾天守の屋根の丸瓦の幅が何ミリの間隔(ピッチ)になっているのかを測ったものです。10本で12ミリですから、1.2ミリピッチとなります。右の写真は東京マルイ姫路城の屋根のピッチを測ったものです。10本で9ミリで、0.9ミリピッチです。(期待できますねえ、ちゃんと本物にあわせているのか?)西小天守模型

 写真(次の写真を含む)右の図面は、前回も引用した学研歴史群像名城シリーズ姫路城116,117ページ「姫路城保存修理工事報告書所収」の東面南面立面図の西小天守です。左写真が東京マルイ姫路城西小天守南面で、三重目屋根の降り棟の間の丸瓦が何本あるか数えてみますと、両方とも14本で正確です。(こんなのが私は嬉しいのです。ひゃっほー正しく作ってる!って)姫路城対照

 東京マルイ姫路城の屋根瓦は西小天守の図面比較して正確との結論としておけばよかったのですが、大天守も比較してしまったのでした。前回も少し触れました大入母屋屋根の棟の長さ以外にも大天守の屋根には相違点もあります。
 写真に記載しているように図面と比較すると四重目屋根の千鳥破風壁面下と三重目比翼入母屋屋根壁面下の屋根の入り込みが足りないこと、五重目屋根の降り棟の長さがやや長いことなどです。
 問題は、丸瓦の本数でして、五重目中央の降り棟と両側の降り棟の間にそれぞれ16本あります。右の図面を数えてみますと、17本あります。(ピッチが正確じゃなかったのか?)がっかりしかけましたが、よくよく図面と比べますと大棟の長さが東京マルイ姫路城のほうが短いように見えます。1ピッチ分両方に延長(改造でいえば一旦カットして間にはさむ)すれば正確な姿になるかも知れません。(改造可能となると私はなぜか納得してしまうのでした。ただし、大入母屋屋根延長は改造法が思い浮かびません。)キット瓦ピッチ比較

 今回のおまけは、童友社広島城、同1/350江戸城、同1/350大阪城の屋根の瓦ピッチがわかる写真です。左の写真は、広島城完成品の天守大屋根です。0.98ミリぐらいかな・・・降り棟間には17本あります。ええっと本物図面を数えるとげげっ19本(ううう・・数えるんじゃなかった・・・orz)、中央は江戸城の天守大屋根でして、1ミリピッチぐらい(本物の図面は存在しないからなあ、これでもいいわなあ)、右の写真は大阪城だけど、0.8ミリピッチ!(もう図面と比較する気なしになっています。)お城の屋根瓦のピッチというのは、平瓦のサイズもいろいろあるようで、均一ではないようですが、なにをもって、その幅を決めたんでしょうか、また調べておくこととします。
 今回は、広島城プラモ屋根が再現されていないのが判明して、かなり気落ちする記事となってしまいました。実物写真を仔細に見ればわかるもので、どこかお城プラモ=おもちゃの延長と思われているのでしょうか、1/350お城プラモに正確さを求めるのが間違っているのかなあという気分です。寛永度江戸城プラモデル

    最後の写真は、PanasonicDMC-LX9での撮影した江戸城プラモです。この写真が撮れたので少し気分は晴れたところです。

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